Raspberry Piを使って非接触で呼吸をセンシングしてみた
これまで、"Arduino+脈波センサ" や、MyBeat(ユニオンツール社)を使って生体情報を取得するといったことをやってきました。しかし、やはり、センサーを肌に直接つけるのはハードルが高い・・・
非接触のセンシング手段として、映像から表情や頭部姿勢のデータを取得するOpenFaceや、同じく、映像から脈波を推定する技術などが知られています。しかし、コロナ禍でマスクを着用しているシーンでは、どちらもうまく動作しないようです(実際に自分で試したのは前者だけですが)。
そんな時、Raspiと組み合わせて使えるミリ波レーダーを使った距測モジュールが登場しました。
これを使って、「非接触で呼吸を取得できるのでは??」と思い、試してみました。
使用機材
セッティング
HW:A111搭載モジュールを写真のように装着してください(端っこに合わせて挿すだけ。簡単!)。
SW:①センシングをするRaspi側と、②結果を表示するWindows側の双方にインストールが必要になります。詳しくはスイッチサイエンス社の記事をご覧ください↓
A111搭載測距モジュールピッチ変換基板の紹介 – スイッチサイエンス マガジン
データの取得
机の上にRaspiを設置し、着座姿勢で距測モジュールと正対して測定しました(体動の影響を受けるので、安静にしています)。
Raspi側
"./rpi_sparkfun/utils/acc_streaming_server_rpi_sparkfun_a111_r2c" で接続待機状態になります。そのまま放置。
Windows側
1.C:\XX\portable_exploration_tool\run_gui.bat を実行します。
2.GUIの "Scan controls" から、"Breathing(IQ)" を選択し、"Start measurement" をクリックすると測定開始。
結果
無事、非接触で呼吸の周期の波形を取得することが出来ました(右下の波形)。しかも、バンドパスフィルタか何かの処理がされているようで、きれいな波形が得られています。また、プラスチックやぬいぐるみなどの障害物があっても取得可能なのがスゴイ。
ちなみに、脈波については、研究レベルでは取得できているようですが(参考:非接触ミリ波バイタルセンサーの小型・高感度化技術を開発)、今回使ったセンサと既存のGUIだけで取得することは出来ませんでした。
参考文献
ミリ波レーダについて詳しく知りたい方は、下記の書籍が参考になりそうです。原理から応用まで書かれているようです。
ミリ波レーダ技術と設計ー車載用レーダやセンサ技術への応用ー (設計技術シリーズ)
つづく